忍法封印いま破る
山田風太郎
著者:山田風太郎
カバー装画:佐伯俊男
発行年月日:昭和53年11月20日
発行所:角川書店
定価:460円
「徳川幕府の切れ者中の切れ者、旗本八万騎にまさるその存在は家康にさえ脅威であった一代の傑物、大久保長安。
その長安が山窩の娘に生ませた野生の子おげ丸は、今や、幕府忍び組きっての伊賀忍者に成長していた。
彼は父長安から密命を受けていた。すなわち、長安の純血を後世に伝える子を身籠った三人の娘の護衛である。
だが、父の死後、任務についたおげ丸と三人の娘に、服部半蔵が指揮する甲賀五人衆の魔手が伸びた・・・。
伊賀か甲賀か?痛快無類、奇想天外な発想が躍動する忍法帖シリーズの傑作!」(カバーより)
はからずも恩ある服部家と敵対することとなったおげ丸は自ら忍法を封印する。
奇々怪々な忍術を操る甲賀五人衆に徒手空拳で挑むおげ丸。おげ丸は剣術だけでも壮絶な強さを誇るが、どうしても分が悪い。
甲賀衆 名前・忍法名
麻羽玄三郎 縄術不空羂索
釜伏塔之介 変化袋
高安篠兵衛 拍掌剣
栃ノ木夕雲 生霊逆ながれ
漆鱗斎 遠見貝
おげ丸 忍法名
浮寝鳥
百足歩き
鏡中剣
不壊金剛
天地返し
砂地獄
風太郎忍法帖の中でもおげ丸は最強の忍者のひとりといってよいであろう。忍法を封印した彼がどのように戦うのか興趣は尽きない。
先行する「銀河忍法帖」を先に読んでおくとより楽しめるであろう。