著者:山田風太郎
発行日:1999年7月15日 第1刷発行
定価:本体914円+税
内容紹介・感想
時は天正18年。豊臣秀吉麾下二万余の軍勢に対し、わずか数百人の手勢を率い北条方の小城・忍城を守る美貌の麻也姫。姫を陰に陽に護るのは、忍びの者として天下に鳴る風摩組。中に割って入る戦場荒らしの7人の香具師は麻也姫の貞操を狙う。香具師VS風摩忍法、武州の地で機智と詐術を巡らす縦横の戦い!(カバー裏より)
この舞台背景を聞いて、ピンと来た方は歴史(小説)好きの方でしょう。映画化もされた和田竜氏のデビュー作「のぼうの城」です。
しかしテイストはかなり違います。
「~天下の風来坊・香具師を主人公にした本書は、全忍法帖の中でも群を抜く陽気な一篇となっている。このノリに匹敵するのは、後の時代長編「叛騎兵」ぐらいのものだろう。後半に用意された忍者との死闘はもちろんだが、全体を通して驚くべきハイテンションが保たれており、意表をつくアイデアが大量に投入されたストーリー展開はさすがというしかない。(後略)」(日下三蔵氏のあとがきより)
さらに麻也姫、個性豊かな香具師達、奇々怪々な忍術(風閂他)、二転三転するストーリーで文庫で約700ページの作品ですが一気読み必至です。