嵐、ゴルフ、ミステリーの日々2

コミック、映画、ミステリーなど、思いつくまま綴ります。街のお散歩写真もご紹介(#^.^#)

「家族八景」 筒井康隆 感想

著者:筒井康隆
カバー:真鍋博
解説:植草甚一
発行日:
昭和50年2月27日 発行
昭和55年6月20日 20刷
発行所:新潮社(新潮文庫
定価:220円

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内容紹介・感想
テレパスである火田七瀬を主人公とした3部作の第1作。
タイトルにある通り、七瀬がお手伝いさんとして、さまざまな家族のもとを渡り歩く形式の連作短編集。

目次
無風地帯
澱の呪縛
青春讃歌
紅蓮菩薩
芝生は緑
日曜画家
亡母渇仰

「幸か不幸か生まれながらのテレパシーをもって、目の前の人の心をすべて読み取ってしまう可愛いお手伝いさんの七瀬 ー 彼女は転々として移り住む八軒の住人の心にふと忍び寄ってマイホームの虚偽を抉り出す。

人間心理の深層に容赦なく光を当て、平凡な日常生活を営む小市民の猥雑な心の裏面を、コミカルな筆致で、ペーソスにまで昇華させた、恐ろしくも哀しい本である。」
(カバー裏より)

上記にあるようにコミカル、ペーソスというよりは家族の裏側、人間心理の生々しさを抉った、ある種、正視し難い描写も頻発する考えさせる作品、傑作です。