嵐、ゴルフ、ミステリーの日々2

コミック、映画、ミステリーなど、思いつくまま綴ります。街のお散歩写真もご紹介(#^.^#)

「重力ピエロ」 伊坂幸太郎 感想

重力ピエロ
装幀写真:三谷龍三
装幀:新潮社装幀室
発行日:
2003年4月20日 初版
2005年11月20日 31刷
発行所:新潮社

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著者紹介
伊坂幸太郎 1971(昭和46)年千葉県生れ。1995(平成7)年東北大学法学部卒業。2000年『オーデュボンの祈り』で、新潮ミステリー倶楽部賞を受賞し、デビュー。2004年『アヒルと鴨のコインロッカー』で吉川英治文学新人賞受賞。2008年『ゴールデンスランバー』で第5回本屋大賞山本周五郎賞を受賞。洒脱なユーモアと緻密な構成で読む者を唸らせ、小説に革新を起こし続ける書き手として、確固たる地位を築いている。他の作品に『ラッシュライフ』『重力ピエロ』『砂漠』『あるキング 完全版』『首折り男のための協奏曲』『マリアビートル』『夜の国のクーパー』『ガソリン生活』『アイネクライネナハトムジーク』『火星に住むつもりかい?』『キャプテンサンダーボルト』(阿部和重との合作)などがある。」
(新潮社HPより)

内容紹介・感想
「連続放火事件の現場に残された謎のグラフィティアート。意味のない言葉の羅列に見える落書きは、一体何を意味するのか? 偶然事件に巻き込まれた兄弟とその父親が暗号解読に乗り出すが――。オーソドックスだけど古くない、地味で大人しいけど胸躍る。本当にカッコイイとはこういうことだ! 我らが同時代文学、堂々誕生。」
(新潮社HPより)

「ピエロが空中ブランコから飛ぶ時、みんな重力のことを忘れているんだ」

弟の春が発した言葉から、主人公は20年以上前に家族で観に行ったサーカスでの父母の会話を思い出します。

「ふわりふわり飛ぶピエロに、重力なんて関係ないんだから」
「そうとも、重力は消えるんだ」父もそう言った。
「どうやって?」私が訊ねる。
「楽しそうに生きてればな。地球の重力なんてなくなる」
「そうね。あたしやあなたは、そのうち宙に浮く」

軽妙な会話に、印象的な登場人物、エピソードの数々。ミステリーの枠に収まらない作品です。