嵐、ゴルフ、ミステリーの日々2

コミック、映画、ミステリーなど、思いつくまま綴ります。街のお散歩写真もご紹介(#^.^#)

「ワールズ・エンド・ガーデン」 いとうせいこう 感想

ワールズ・エンド・ガーデン
表紙:ピーテル・ブリューゲル「悪女フリート」
印刷:1991年1月20日
発行:1991年1月25日
発行所:新潮社
定価:本体1,456円+税

薬(ドラッグ)と暴力(バイオレンス)が
疾走する砂漠(デゼール)に、
謎の予言者が侵入した。
だが、なぜー
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「夜のムスリム・トーキョーにコーランが鳴り響いた。冷たく燃える声が臭気を帯びた夏の空気に引火し、炎を揺らしながら遠く夜の闇に浸みていく。恭一はゆっくりと目を閉じ、汗ばんだ頬を微笑みの形に溶かした。」

新潮社版は絶版のようで、河出書房新社より復刊されています。

預言者か? 詐欺師か? 未来を幻視した著者代表長編、ここに復活!

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ワールズ・エンド・ガーデン

いとうせいこうレトロスペクティブ
受賞
国学図書館協議会選定図書
単行本 46変形 ● 384ページ
ISBN:978-4-309-02206-2 ● Cコード:0093
発売日:2013.08.26
定価1,944円(本体1,800円)

この本の内容

いとうせいこうレトロスペクティブ」シリーズ第一弾。ある日、ムスリム・トーキョーにふらりと現れた浮浪者。彼は偉大なる予言者か? 壮大なる詐欺師か? いとうせいこうの魔術的第二長編。

各界絶賛!
産毛!触覚!産毛!味蕾!
産毛!
未体験ゾーン突入小説
——岡村靖幸

自分探しの旅が
永遠に続く世界の終わりだと
教えてくれた希望の書
——神山健治

引用、リピート、止まらない連想
ゲームの連続、コトバの混沌
焦燥と昂揚、その頃のトーキョー
凡庸じゃないフロウ、読めば即没頭
超高速かつスロウな妄想
脳内で暴走、町内を奔走
イメージと瞑想、縦書きの予言書
十年後?いや、そのもっと先の
解体、リセット、メモリはキロバイト
モノクロの液晶、いざなう世界のエンド
何十年も、何周も早すぎた未来の禅問答
——Boseスチャダラパー

目次

第一章 不用意な侵入——私は時を待っている
第二章 砂漠の記憶喪失者——今、あなたの前に現れよう
第三章 名づけのゲーム——計画は停滞なく進む
第四章 刻まれた存在——私の降臨はもはや否定出来ない
第五章 声なき笑い——荒れ狂う嵐の中、ここだけが静かである
第六章 免疫不全——来る者はみな招かれている
第七章 狂えるガーディアン——まもなく必要ないさかいが始まる
第八章 増殖プリンター——私はどこまでも増える
第九章 毒水のオアシス——あなた方は約束の地にいる
第十章 デラシ草の根茎——祝福は地を覆う
第十一章 失地回復——私を脅かす者は滅ぼされる
第十二章 囲われた砂場——試煉に耐えぬ者は不幸である
第十三章 蠅の晩餐——聖なる戦いに向おう
第十四章 最後の演説——私の計画は失敗しない
第十五章 新たなる発端——私を見つけ出す旅を始めなさい
第十六章 不用意な侵入——私のためにあなたはここにいる
第十七章 終わりの庭——私を語る者はすでにいない

献辞
あとがき 「思い出すこと」いとうせいこう
解説 「文学は動いていた」陣野俊史

著者:いとう せいこう (イトウ セイコウ)

1961年生まれ。出版社の編集者を経て、音楽や舞台、テレビなどでも活躍。88年『ノーライフキング』でデビュー。99年『ボタニカル・ライフ』で講談社エッセイ賞、13年『想像ラジオ』で野間文芸新人賞受賞。