著者:山田風太郎
カバー装画:天野喜孝
カバーデザイン:芹澤泰偉
発行日:1999年5月15日 第1刷発行
1960年3月講談社より刊行
内容紹介・感想
「徳川五代将軍綱吉には世継ぎがなく、大老格として幕閣に権勢をふるう柳沢出羽守は秘かに画策するところがあった。
将軍家正統の血をうけながら、足柄山中に育った葵(あおい)悠太郎の出現は、柳沢を驚倒させた。
前将軍の隠し子を抹殺せよとの厳命をうけた甲賀七忍。柳沢の養女鮎姫を巻き込んだ、忍法と正剣の対決!?」
(カバー裏より)
神田馬喰町のさいづち長屋に住む素浪人の葵悠太郎は、実は四代将軍・家綱のご落胤だった。
前作甲賀忍法帖での多数対多数のトーナメント戦ではなく、一人対多数、剣法対忍法という新たな構図で描かれる本作品。
本作の主人公、葵悠太郎はご落胤らしく、普段はのほほんとしているが、実は抜きんでた体術と油断ならぬ剣術の腕を持っており、すこぶる魅力的である。
奇怪な忍者軍団と一刀流の奥義を操る葵悠太郎の死闘の結末や如何に!?
角兵衛獅子の姉弟はじめ、魅力的な登場人物、背景として描かれる江戸の風物も含めて、好きな作品です!!