嵐、ゴルフ、ミステリーの日々2

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「ブルー・ベル」アンドリュー・ヴァクス 訳:佐々田雅子 感想

ブルー・ベル
アンドリュー・ヴァクス
BLUE BELLE
Andrew Vachss
訳:佐々田雅子
解説:東京大学教授 養老孟司
「ロマン的作品、あるいはデテールの楽しみ」
発行日:1995年4月15日 初版発行
発行所:早川書房(ハヤカワ文庫HM)

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内容紹介・感想
本作はアウトロー探偵バーク・シリーズの第三作です。
バークはアウトロー探偵でもあり、プロの犯罪者といってもいい、闇世界をしたたかに生き抜いている男です。
カバー折り返しについている著者の写真が黒い眼帯に黒いシャツを着た写真で、どうしても作中のクールな主人公”バーク”と重なってしまいます。
また彼をとりまくファミリーがまた魅力的です。

愛犬のパンジイ(ナポリタン・マスチフ
兄弟同然で武道の達人、マックス(チベット人
情報屋のミシェル(男娼)
刑務所仲間でバークに生き延びる術を教えたプロフ(予言者、教授の意味をかけている)
天才的技術者モグラユダヤ人、ガラクタ置き場の住人)
母親代わりのママ・ウォン(中国料理店を営む中国人、バークの電話番)

「アンドリュー・ヴァクスの作品は、主人公であるバークが、特定の事件を片づけるという、連作形式をとっている。私はヴァクスの作品は必ず読む。こうしたタイプの小説としてヴァクスの作品は、読んで損をしない、つまり面白いからである。
事件の主題にかならず幼児虐待が含まれている。主人公のバークは、基本的にはアウトローである。傭兵をしていたことも、刑務所に入っていたこともあり、今でも怪しげな商売をしている。それでもしかし、幼児虐待だけは、どうしても許せないらしい。」
養老孟司 あとがきより)

闇世界で生き抜くため、常に裏を読み、備えを怠らないバーク。
暗い過去と圧倒的な肉体、一途な心をもった女ブルー・ベル。
哀しい純情が深い余韻を残す作品です。