嵐、ゴルフ、ミステリーの日々2

コミック、映画、ミステリーなど、思いつくまま綴ります。街のお散歩写真もご紹介(#^.^#)

書評名作集「読書中毒」小林信彦

読書中毒
●ブックレシピ61●
著者:小林信彦
発行日:2000年5月10日 第1刷
発行所:文藝春秋
初出:第一部「小説探検」(本の雑誌社・1993年10月)改題
第二部「週刊文春」1996年4月25日~1997年11月20日

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これが究極のブックガイドだ
ゆきつくところは結局、
ストーリーの面白さなのです。(帯より)

「小説もビデオも同じ。ゆきつくところはストーリーの面白さ」美味しい読書のためのレシピ満載で、病みつきになることうけあい。村上春樹バルザックから永井荷風まで、縦横無尽の読書指南。当代きっての本読みのプロが語る小説の[よみとり方]の極意とは……。
大好評のブックガイド・エッセイ第3弾!
(カバー裏より)


第1弾 「本は寝ころんで」
第2弾 「〈超〉読書法」

上記3冊に加え「小説世界のロビンソン」等小林信彦の著作は好きで、よく読んでいました。読書をする上で、大変参考にもなりましたし、いろいろと共感できたり、そういう見方もあるんだと新鮮な視点を教えてもらえたりしました。

特に面白かったのは、
オープニングと映画の技法
フォーサイスにおける得意と不得意
ハードボイルド的定石
トマス・ハリス的パターン
毒が魅力のハイスミス
〈犯人がわからない〉批評家たち
等です。

「オープニングと映画の技法」では、「映画の影響を受けたところの小説独自の技法」とでもいう、卓抜した出だしの例をあげています。

〈その男と少年を親子だと思わぬ者はほとんどいなかった。……〉

〈僕は37歳で、そのときボーイング747のシートに座っていた。その巨大な飛行機はぶ厚い雨雲をくぐり抜けて降下し、ハンブルグ空港に着陸しようとしているところだった。……〉

ともに映像的・視覚的であり、鮮やかに映像が浮かび上がってくる卓抜なオープニングといえます。