Neuromancer
William Gibson
著者:ウィリアム・ギブスン
訳者:黒丸尚
発行日:昭和61(1986)年
原書発行:1984年
発行所:早川書房(ハヤカワ文庫SF)

1984年 21世紀に向けて今SF界に新風を、という意図で期待の若手作家の処女長編を集めた叢書「ニュー・エース・サイエンス・フィクション・スペシャル」の第三弾として刊行された。
刊行されるや、凄まじい反響を呼び、下記の主要SF賞5冠を達成した。
1985年 ヒューゴー賞
フィリップ・K・ディック記念賞
SFクロニクル誌読者賞
オーストラリアのディトマー賞
どんより濁った千葉シティの空の下、コンピュータ・ネットワークの織りなす電脳空間を飛翔できた頃に思いをはせ、ケイスは空虚な毎日を送っていた。今のケイスは、コンピュータ・カウボーイ能力を奪われた飢えた狼。だが、その能力を再生させる代償に、ヤバイ仕事をやらないかという話が舞いこんできた。きな臭さをかぎとりながらも、仕事を引き受けたケイスは、テクノロジーとバイオレンスの支配する世界へと否応なく引きずりこまれてゆく……
登場!
(カバー裏より)
目次
第一部 千葉市憂愁(チバ・シティ・ブルーズ)
第二部 買物遠征(ショッピング・エクスペディション)
第三部 真夜中(ミッドナイト)のジュール・ヴェルヌ通り
第四部 迷光仕掛け(ストレイライト・ラン)
結 尾(コーダ) 出発と到着(デパーチャ アライバル)
なんといっても当時衝撃的で魅力的だったのは、のっけから日本の”千葉シティ”が主人公ケイスの求める最先端の闇クリニックを抱える街として、舞台として登場してきたことです。
「仁清(ニンセイ)通りの金曜の夜。
ヤキトリ屋台にマッサージ・パーラー、〈美女(ビューティフル・ガール)〉という名の喫茶チェーン店、ゲーム場(アーケイド)の電子騒音、と通り過ぎる。ダーク・スーツの”さらりまん”に道を譲りながら、その男の右手の甲に刺青された”三菱(MG)ジェネンテック”の社章に眼を留めた。」(本文より)