嵐、ゴルフ、ミステリーの日々2

コミック、映画、ミステリーなど、思いつくまま綴ります。街のお散歩写真もご紹介(#^.^#)

御手洗潔登場「占星術殺人事件」島田荘司

著者:島田荘司
装画:不二本蒼生
発行日:1987年7月15日 第1刷発行
発行所:講談社講談社文庫)
単行本:1981年

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40年以上前の猟奇連続殺人の謎を解け!

島田荘司氏のデビュー作にして、名探偵御手洗潔の初登場作です。
占星術が重要なモチーフとなる本作で、御手洗潔は当初占星術師として登場してきます。
デビュー作には作家の全てがつまっているとよくいいますが、本作も著者の猟奇趣味、奇想天外で大胆なトリック、トリックの図解、ワトソン役の石岡和己との名コンビ等、特徴がよく表れています。

そして著者自身が自ら語った「本格ミステリー論」のエドガー・アラン・ポー作品の有するコンセプト、本格ミステリーの条件を見事に体現しています。
すなわち、
第一に「幻想味のある、強烈な魅力を有する謎」「詩美性のある謎」「吸引力のある〈美しい謎〉」を冒頭付近に示すこと。
第二に「論理性」「思索性」がなければならない。

また表紙の不二本蒼生氏のイラストが素晴らしいです。イギリスの作家クライヴ・バーカー「血の本」シリーズの表紙も素晴らしかったです。

 「怪事件は、ひとりの画家の遺書から始まった。その内容は、六人の処女から肉体各部をとり、星座に合わせて新しい人体を合成する、というもの。
 画家は密室で殺された。そして一ヵ月後には、六人の若い女性が行方不明!
 奇想天外の構想、トリックで名探偵御手洗潔をデビューさせた、衝撃的傑作。」
(カバー裏より)