嵐、ゴルフ、ミステリーの日々2

コミック、映画、ミステリーなど、思いつくまま綴ります。街のお散歩写真もご紹介(#^.^#)

超能力者のヒロインを描く「クロスファイア」宮部みゆき

上・下
カバーデザイン:小泉英里砂
発行日:上下巻 1998年10月30日 初版第1刷発行
発行所:光文社(カッパノヴェルス)
定価:本体各819円
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この「クロスファイア」は、わたくしミヤベにしてはとても珍しい続編物の作品です。ですから、カッパ・ノベルスの「鳩笛草」に収録されている「燔祭」という中編を先に読んでいただいた方が ー 立ち読みでもけっこうですから ー 本書をより深く楽しんでいただけると思います。
上巻カバー「著者のことば」より

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「燔祭」で登場した”念力放火能力”の持ち主、青木淳子という女性のその後の人生をどうしても書いてみたくなり、ひとつの物語にしてみました。彼女の幸せは、果たしてどこにあるのでしょうかー。
下巻カバー「著者のことば」より

”あたしは装填された銃だ。持てる力を行使し、無軌道に殺人を続ける若者たちを処刑する。人は自分の行為にふさわしい罰を受けなければならない”

1998年下半期直木賞を受賞した「理由」、週刊ポストに連載された「模倣犯」というミステリーの大作と、ほぼ同じ、脂の乗り切った時期に執筆されたSFミステリー作品。

一読して念力放火能力を持った少女の運命を描いたスティーブン・キングファイアスターター」を想起させますが、宮部みゆきならではのリアルで印象的な筆致で、ヒロインの悲哀を描き切った傑作です。