嵐、ゴルフ、ミステリーの日々2

コミック、映画、ミステリーなど、思いつくまま綴ります。街のお散歩写真もご紹介(#^.^#)

忍者劇画の傑作!!「ワタリ」第一部 白土三平

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忍者劇画の傑作!!
「ワタリ」白土三平
WHAT IS WATARI?

タイトル:ワタリ 全7巻
装幀:水野石文
発行日
1巻:昭和47年7月28日 第一刷発行
1965年3月10日~5月24日作品
2巻:昭和47年8月10日 第一刷発行
1965年6月15日~9月21日作品
3巻:昭和47年9月10日 第一刷発行
1965年9月22日~12月24日作品
発行所:講談社(KCコミックス)

1巻~3巻所収
ワタリ第一部 「第三の忍者の巻」

白土三平氏の忍者劇画といえば、忍者武芸帳カムイ伝、サスケが有名ですが、私は中でもこのワタリがかなり好きです。

まず武器が、縄のついた斧であり、豪快かつ斬新です。時に盾にもなります。
そして手裏剣が「カブトわり」といい、音の出るものと出ないものがあります。
これを空中から、ずらして投げるのがワタリ得意の連続技「無角攻め」です。

第一部タイトルの第三の忍者ですが、伊賀でも甲賀でもないという意味で、この忍者の中でも更にアウトローの設定が作品を貫く大きなテーマともなっています。

物語の背景ですが、天正年間の伊賀の国で、昨年公開された嵐の大野くん主演の映画「忍びの国」と同じとなっています。

そして絵柄がまた素晴らしく、動きの描写、コマ割り、描線が今みても躍動感溢れるものとなっています。
ジョジョの奇妙な冒険の作者、荒木飛呂彦氏も公言されているとおり、また特に初期作品のキャラクター造形をみてもわかるように大きな影響を与えていると思われます。

次々に繰り出される一見荒唐無稽に見えながら、物理的、科学的な裏付けのなされる忍術も魅力的です。

忍者たちを縛り付ける死の掟とは? 本当の敵は誰なのか? 
トリックと謎解きは本格ミステリーの味わいです。

2巻の後半でワタリを苦しめる蛾による虫よせの法のトリックは、西村寿行氏の短編「原色の蛾」でも用いられています。