稀代のビジュアリスト、製作秘話
『リドリースコットの世界』
ポール・M・サモン著
SFホラー映画の革新的な傑作「エイリアン」や酸性雨の降りしきる退廃的な未来像が衝撃的だった「ブレードランナー」、日本を舞台にした「ブラック・レイン」などの作品で知られるリドリー・スコット監督のアマチュア時代の作品から「ハンニバル」までの全作品の製作秘話が明かされる興味深い一冊。
訳者あとがきによると、本書は1999年にイギリスで発行された原書とは異なっているという。原書は10章までで、その10章は撮影に入っていた「グラディエーター」の近況を簡単に伝えるだけで終わっていた。
その後「グラディエーター」が世界的な大ヒットをおさめ、2001年春のアカデミー賞の最有力候補と見なされ(その後作品賞を受賞)、さらにスコット監督が世界的ベストセラー「ハンニバル」の映画化を進行中だったので、編集部と相談の上、著者のサモン氏に打診して日本の読者向けに2章分を書き下ろしてもらったのだという。
もともとは「エイリアン」「ブレードランナー」がどのようにできたのかという興味から読んだのですが、この2章が加わることによって、より一層味わい深い一冊となりました。
「デュエリスト/決闘者」1977
「エイリアン」1979
「ブレードランナー」1982
「レジェンド 光と闇の伝説」1985
「誰かに見られてる」1987
「ブラック・レイン」1989
「テルマ&ルイーズ」1991
「1492 コロンブス」1992
「白い嵐」1996
「G.I.ジェーン」1997
「グラディエーター」2000
「ハンニバル」2001
リドリースコットの世界
著者:ポール・M・サモン
発行日:2001年4月10日 第1刷
訳者:尾之上浩司
発行所:株式会社扶桑社
定価:1,333円