短編小説の醍醐味!!
『短編小説のレシピ』
阿刀田高著
短編小説と長編小説のどちらが好きかと聞かれたらどうでしょう?
私はどちらも好きです。
本書は八百編(発行時カバーより)もの短編小説を生み出してきた短編小説の名手が、短編小説について語った本になります。
タイトルを一見すると短編小説の書き方のようにも思えますが、著者曰く「この小論の読者は必ずしも小説を書こうとしているわけではあるまいし、私の目的も小説の書き方講座ではない。語りたいのは短編小説の存在理由である。」(「第一章短編小説はおいしいぞ」より)
第二章以降は錚々たる短編小説の名手の紹介とその作品をひもときながら、短編小説の魅力や技法について語ります。紹介されている作家は向田邦子、芥川龍之介、松本清張、中島敦、新田次郎、志賀直哉、夏目漱石、ロアルド・ダール、エドガー・アラン・ポーになります。最後の第十一章では自らとその作品を客観的に紹介、分析されています。
短編小説の名作ガイドブックとしても最適な書となっています。
書名:『短編小説のレシピ』
著者:阿刀田高
発行日:2002年11月20日 第一刷発行
発行所:株式会社集英社(集英社新書)
定価:本体700円+税