嵐、ゴルフ、ミステリーの日々2

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人気実力派女優の浜辺美波さんも愛読!!サイコパスVSサイコパス『怪物の木こり』倉井眉介著 感想

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人気実力派女優浜辺美波さんも愛読!!

サイコパスVSサイコパス

『怪物の木こり』倉井眉介著

第17回「このミステリーがすごい!」大賞

大賞受賞作

感想

 

 今をときめく人気女優の浜辺美波さんが8月19日放送のバラエティ番組「今夜くらべてみました」に出演。

 ご自身の本棚紹介のコーナーで、コミックの奥にしまってある小説の好きなジャンルは「サイコパス・連続殺人系」のミステリーであると明かした。ドラマや映画の撮影中とか作品に入っているときに重い作品や感情移入してしまう作品は読めず、その点サイコパスのでてくる作品には感情移入しようがないのでよいのだそうだ。

 そこで紹介された作品が本作「怪物の木こり」である。

 

 プロローグ・・・

 針葉樹の森を抜けると、蔦がのたうつように絡みついた異様な雰囲気を漂わせた洋館「魔女の館」が姿を現す。ここが魔女、東間翠(とうまみどり)が引き起こした惨劇の舞台である。

 

 そしてその惨劇から26年後・・・

 表向きは善人の皮をかぶった辣腕弁護士、二宮彰(にのみやあきら)。しかし彼は他人への共感性の欠落した、殺人を何とも思わないサイコパスであり、連続殺人鬼であった。

 ある日二宮は自分を尾行していた男を捕らえ、拷問して殺してしまう。その一週間後、二宮は自宅マンションの駐車場で怪物のマスクを被った男に手斧で襲われる。「お前ら怪物は死ぬべきだからだ」・・・からくも逃れた二宮だっだが、頭部に重傷を負ってしまう。そして二宮は自ら怪物マスクを捕らえ、殺すために警察に嘘の証言をする。

 並行して被害者の脳が奪われる連続殺人が発生。犯人を追う警察とやがて交錯する二宮・・・

 

 つかみはOKといった感じの度肝抜くスピーディーな展開。サイコパスが得体の知れないサイコパスに狙われ、追い詰める興味深い展開。

 しかし、物語は導入部のイメージからスプラッターやアクションなどド派手な展開を期待するとやや肩透かしを食らう。とはいえ面白くなくなるわけではなく、警察視点、二宮視点の謎解き、犯人探しが主眼となるのだ。そして全く感情移入を拒絶する作品でもないのである。人間の人間たる所以、感情、共感性の大切さを描いているのかもしれない・・・

 

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書名:怪物の木こり

著者:倉井眉介

発行日:2020年2月20日 第1刷発行

発行所:株式会社宝島社

定価:本体680円+税

※本書は、2019年1月に単行本として刊行、加筆修正して文庫化されたものです。

 

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