嵐、ゴルフ、ミステリーの日々2

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今週のお題「読書の秋」~SF小説の古典~『新加速剤』H・G・ウエルズ

今週のお題「読書の秋」

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今週のお題「読書の秋」

~SF小説の古典~

『新加速剤』H・G・ウエルズ

岩波文庫「タイム・マシン」所収

 先ほど「星の王子さま」の記事をアップ後、今週のお題が「読書の秋」であることに気づき、急遽便乗するとともに、新たに一編追加することにいたしました。

 その作品とはジュール・ヴェルヌとともにSF小説界の父といわれるH・G・ウエルズの短編「新加速剤」です。

 なぜこの作品を購入し、読み返したかというと、先日復刊されたカルト漫画家、風忍氏の伝説的なコミック「地上最強の男 竜」を書店で見かけ、風忍氏の作品で「超高速の香織」という作品があったことを思い出し、その作品に影響を与えたであろう本作を読み返したくなったからです。

 「新加速剤」は、語り手である「ぼく」の親友、ジバーン教授がストレスの多い時代に適応させるための万能神経刺激剤を研究中に、目標を射越して人間生活を一変させる発見を成し遂げたという語り出しから始まる。

 完成した新薬を教授と共に服用する「ぼく」の眼前に現出する驚くべき世界とは・・・。それは単に動作、思考の物理的な高速化だけでなく、意識、認識の世界をも変えるものだった。

 本作品は今読んでも古さを感じさせずに面白い。そしてやはり特筆すべきはそのアイデアであり、表題作の「タイム・マシン」とともに、さまざまなSF作品の先駆けといえるであろう。

(原題/The New Accelerator,1903)

 

「タイム・マシン 他九篇」所収

著者    H.G.ウェルズ 作

訳者 橋本 槇矩
通し番号    赤276-1
ジャンル    書籍 > 岩波文庫 > 赤(外国文学/イギリス)
刊行日    1991/05/16
ISBN    9784003227619
Cコード    0197
体裁    文庫 ・ 376頁
定価    1,012円(税込)