劇的な抒情性
『ウォーターハウス 夢幻絵画館』
◆ジョン・ウィリアム・ウォーターハウスについて
ジョン・ウィリアム・ウォーターハウス(1849~1917)は、イギリスのヴィクトリア朝時代の画家で、神話や伝説に登場する主に女性を題材とした作品を多く描き、当時から現代まで続く高い人気を誇っています。
ウォーターハウスは、英国ロイヤル・アカデミーの会員として正統派の画家でありながら、ラファエル前派の第三世代とも目されています。第一世代の人気画家としては、ダンテ・ゲイブリエル・ロセッティ、ジョン・エヴァレット・ミレイなどがよく知られています。
劇的な場面を描きながら、甘美な抒情性を湛えたその作風は、日本の少女漫画やSF、ファンタジーといった多岐に渡るジャンルの現代アート、イラストレーションに大きな影響を与えているといえると思います。
◆「ハリーポッターと魔法の歴史」展と本書について
現在東京ステーションギャラリーで行われている(~2022年3月27日まで)、「ハリー・ポッターと魔法の歴史」展にも、「魔法円」「人魚」の2作が展示されており、先日同展を見に行った大きな目的の一つでもありました。
本書は一般書店でも購入できるものですが、ミュージアムショップで見かけて、購入したものです。数多くのカラー図版とともに、解説も充実しており、ウォーターハウスを概観できる内容となっています。
◆書誌情報
タイトル:ウォーターハウス 夢幻絵画館
ToBi selection
川端 康雄 監修・著/加藤 明子 著
価格:2,860円(税込)
刊行:2014年02月
発行所:株式会社東京美術
ISBN:9784808709822
判型:B5
ページ数:160
◆数多く開かれる日本国内展覧会
「ラファエル前派とその時代展」図録表紙より
1985年1月26日~2月24日 伊勢丹美術館
「マリアムネ」1887年(部分)