『第38回ジャパンカップ(G1)』
JRAofficial
2018/11/25 に公開
2018年11月25日 東京11レース
jraofficial より
アーモンドアイが驚異のレコードVで断然人気に応える
ジャパンカップ(GⅠ)で単勝オッズ1.4倍の断然人気を集めたのはアーモンドアイ。3歳牝馬三冠を成し遂げたとはいえ、古馬とは初対決。しかも相手は、大阪杯勝ち馬スワーヴリチャード、京都大賞典で復活を遂げたサトノダイヤモンド、昨年の菊花賞馬キセキ、連覇を狙うシュヴァルグラン、さらには愛ダービー馬カプリやカナディアンインターナショナル2着のサンダリングブルーといった一流馬たちだ。
それでもファンはアーモンドアイの素質を信じ、そして彼女は、圧倒的なパフォーマンスでその期待に応えてみせるのだった。
大方の予想通りキセキがハナを主張すると、1枠から好スタートを切ったアーモンドアイもスッと2、3番手の位置へ。1000メートル通過59秒9の緩みないラップを、鞍上のクリストフ・ルメール騎手いわく「いいリズムでリラックスしていた。速かったけれど流れに乗れた」という無理のない追走で、向こう正面、3コーナー、4コーナーと駆けていく。
そして直線。各馬がスパート態勢へと移る中、アーモンドアイだけは余裕の手応え。ようやくムチが入ったのは坂を上り切ってから、残り300メートルを越えた地点のことだった。
「いいペースを維持できるうえにゴールまで加速する。特別な馬。言葉がない」
ルメール騎手も驚嘆する末脚を爆発させたアーモンドアイは、直後にいたスワーヴリチャードを一瞬で突き放し、粘るキセキもアッサリ交わすと、1馬身4分の3差をつけて先頭ゴール。従来のコースレコードを1.5秒も更新する驚異的な勝ち時計2分20秒6を叩き出して、日本最強の座へと上り詰めたのである。
アーモンドアイに待ち受ける未来を訊ねられて、凱旋門賞に「行かなくてはいけない」と答えたルメール騎手。確かに、こんなにも強くて、速くて、そして美しい存在が日本にはいるのだと世界に知らしめることは、夢や希望ではなく、もはや責務。そう思わせるほどの完勝劇であった。
(谷川 善久)
JRA公式HPより
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