本の街、神保町を舞台とした三姉妹の物語
『百木田家の古書暮らし』第1巻
冬目 景 著
「百木田(カラキダ)家の古書暮らし」は、アニメ化もされてよく知られる、新宿にほど近い私鉄沿線の小さな街(世田谷区の下北沢、豪徳寺周辺)を舞台とした「イエスタデイをうたって」の著者、冬目景氏によるマンガ作品です。
本作は、世界でも有数の古書の街として知られる神保町を舞台としており、今春、「三省堂書店神保町本店」の移転が話題となった頃には、「本の街・神保町を元気にする会」のポスターに主人公の三姉妹が登場しました。
百木田家の三姉妹、一果(イチカ)、二実(ツグミ)、三稔(ミノル)は、父と四人暮らしだったが、祖父の遺言により、父の独断で横浜の実家を売却し、神保町の古書店「魁星書房」を継ぐことになった。
父は勤務地のアメリカの大学へ旅立ち、三姉妹は神保町の店舗兼住宅へ移り住む。三姉妹は相談の上、本好きで会社勤めが苦手な次女のツグミが継ぐこととなった。
どうでしょう。この導入部、ワクワクしませんか。
暇そうに店番をするツグミは、ある日、裏の怪しい店「モラグ書店」(一応古書店)の店番をしている長髪、無精ひげの長身の男、梓沢に出会う。梓沢はツグミが中学生の頃、神保町に通っていた際に出会っていて、新刊書を競うように買っていたのだという(当時梓沢は大学生)。
古書業界の内幕も描きながら、三姉妹をめぐる人間模様を描く本作。梓沢も何か思惑がありツグミに取り入ろうとしており、敵なのか味方なのか、まだ謎を秘めている。
第2巻が2022年夏ごろ発売(本書巻末告知より)とのことなので、楽しみです。
ヤングジャンプコミックス
百木田家の古書暮らし 1
発 売:2022年4月19日
定 価:715円(税込)
仕 様:B6判/188ページ
ISBN:978-4-08-892285-0
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