秋の清澄庭園散歩と「君たちはどう生きるか」感想
Autumn Kiyosumi Garden Walk and "The Boy and the Heron" Impressions
いつもご覧いただき、ありがとうございます。今回、遅ればせながら宮﨑駿監督「君たちはどう生きるか」を鑑賞してきましたので、アオサギつながりで清澄庭園の写真とともにお届けさせていただきます。
結論から申し上げますと、とても素晴らしい作品でした。当初宣伝をしていなかったこと、内容が伏せられていたことなどから様子見をしていました。公開されてからも賛否両論であり、眠くなる、退屈などの評もありましたが、とてもおもしろく、ストーリー、キャラクター、美術、背景も魅力的で、懐かしさとともに、不思議な世界観が描かれていました。
ちなみに予備知識なく観る楽しさはありますが、これは絶対に事前に大々的に宣伝をすべきだと思いました。
冒頭「風立ちぬ」のワンシーンを思わせる、空襲による火の粉が舞う群衆の中を主人公が駆け抜けていくシーンからエネルギッシュで斬新な描写が見られ、思わず作品世界に惹き込まれていきます。
時代背景である戦中の日本の風俗、建造物、乗り物、田舎の風景も懐かしさを感じさせます。また冒頭の「風立ちぬ」をはじめ「千と千尋の神隠し」、「ハウルの動く城」、「もののけ姫」、「崖の上のポニョ」など、様々な宮﨑駿監督作品、ジブリ作品を想起させる場面が多いのも特徴といえます。水平線を行く無数の帆船は「紅の豚」の無数の戦闘機を思い起こさせますし、空中に浮かぶ岩は「耳をすませば」でしょうか。また中盤で主人公が迷い込む世界で登場する風景ではアルノルド・ベックリンの有名な絵画「死の島」を思わせる風景も登場して、作中でもたびたび言及されるように死後の世界を暗示させます。
そして個人的には宮﨑駿監督に映画化してほしかった作品、江戸川乱歩の「幽霊塔」からのインスピレーションを強く感じました。
※撮影時期：2023年10月中旬
photoⒸarashi
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