模造記憶
著者:フィリップ・K・ディック
訳:浅倉久志他
解説:浅倉久志
発行日:平成元(1989)年7月25日 発行
発行所:新潮社

映画「トータル・リコール」は、原作が短編ということもあり、かなりストーリー、アクション等の肉付けがなされています。
【収録作品】
「不屈の蛙」
ファンタスティックストーリー誌1953年7月号
「あんな目はごめんだ」
SFストーリーズ誌1953年第1号
「この卑しい地上に」
ビヨンド誌1954年11月号
「囚われのマーケット」
イフ誌1955年4月号
「想起装置」
イフ誌1959年7月号
「ぶざまなオルフェウス」
エスカペイド誌1964年
「逃避シンドローム」
ワールズ・オブ・トゥモロウ誌1965年1月号
「逆まわりの世界」
アメージング誌1966年8月号
「追憶売ります」
F&SF誌1966年4月号
「欠陥ビーバー」
未発表作品 1971年12月ごろ
「ミスター・コンピューターが木から落ちた日」
未発表作品 1977年ごろ
「不思議な死の記憶」
「追憶売ります」映画化名
TOTAL RECALL
監督:ポール・ヴァーホーヴェン
公開:1990年

【解説】
西暦2084年。火星の夢にとりつかれた一人の技師が、夢による疑似体験を受けようとした事から何者かに命を狙われ始める。今の記憶が植え付けられた物である事を知った男は本当の自分を探すため火星へ飛び立つ……。フィリップ・K・ディックの短編小説『追憶売ります』を基に、“記憶”あるいは“もう一人の自分”というモチーフを活かしつつ見せ場をふんだんに盛り込んだ想像力豊かな脚本を、あっけらかんとハリウッド風娯楽大作に仕上げたヴァーホーヴェンの潔さが心地よい。細部に至るまで未来のイメージを構築した、アカデミー賞受賞のSFXも素晴らしい。