嵐、ゴルフ、ミステリーの日々2

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80年代SFホラーアクションコミックの金字塔『童夢』大友克洋著~大友克洋全集刊行開始!~

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80年代SFホラーアクションコミックの金字塔

『童夢』大友克洋著

大友克洋全集刊行開始!OTOMO THE COMPLETE WORKS

 今回、大友克洋全集の第一期、第一回配本としてSFホラーアクションコミックの金字塔「童夢」が「Animation AKIRA Storyboard」とともに発売となりました。

 事前に知ってはいたものの、書店の平台に並んでいるのを見た時は、うれしかったですね。少しお高い(税抜き2,700円)ですが、買ってしまいました。そして一気に読んでしまいました。

 装幀が凝っていて、しっかりとした赤いビニールのカバーがかかっているので、本体をガッチリとガードしています。

 見返し、扉とめくっていくと、カラーイラストがあらわれます。当時初期段階のカラーイラストとして考えていたものだそうです。また単行本では未収録となっていた幻の連載時の扉絵も収録されています。

 巨大な団地で続く怪死事件。解決の糸口をつかめない警察。井戸端会議や子供たちの喧騒を横目に怪談じみた出来事が続く。大友克洋氏はこの辺りの日常の描写、会話、子供たちの表情の表現が抜群にうまいですね。

 発想のもとになった作品として、ホラー映画の金字塔「エクソシスト」や、大林宣彦監督の和製ホラーの傑作「HOUSE」をあげておられるので、やはり当初はホラーとして構想されていたのでしょう。

 そしてエッちゃん(石ノ森章太郎氏のさるとびエッちゃんより着想)が引っ越してきて、怪しい人物が一通り登場してからの中盤以降の加速度が凄い。

 また舞台となり、緻密に描き込まれた巨大な団地も、もう一方の主役といえるだろう。暗闇に浮かびあがる窓の明かりや街灯が、寒々とした空気感を見事に表現している。

 壮絶なカタストロフィの後の静寂からの・・・。一本の映画を観終わったような見事なラストシーンである。

 のちのSF超大作「AKIRA」につながる布石、スプリングボードという意味も含めて、漫画史に残る傑作といえるでしょう。

書 名:童夢
著者名:大友 克洋

発行所:講談社
発売日:2022年01月21日
定 価:2,970円(本体2,700円)
判型:B5変型
ページ数:252ページ 

▼超能力SFの傑作「Fire-ball」を収録。「彼女の想いで・・・」

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