近未来SFコミックの金字塔
『アキラ』1巻 PART1鉄雄
大友克洋著
近未来と書いていて、今年は2020年、時代が追いついてしまいました。
第3次世界大戦から38年・・・。世界は大戦の惨禍を乗り越え、新しい繁栄の時代を迎えつつあった。
舞台は東京オリンピックを翌年に控えた2019年、東京湾上に建設された日本の首都ネオ東京と旧市街。オリンピック会場は焼け残った旧市街のビルを取り壊して進められ、大戦の引き金となった巨大な爆心地は公園としての利用が計画されていた。
ネオ東京38年のある夜、金田をリーダーとする職業訓練高校の生徒たちは、封鎖された旧市街の高速道路にバイクに乗って侵入、爆走していた。
しかし先頭を行く鉄雄は、無人のはずの高速道路上に立っていた、手のひらに26という番号を記した見た目は少年、顔は老人のような謎の男に衝突しそうになり、転倒、負傷してしまう。謎の男は不思議な能力を持っており、その場から忽然と消えてしまう。
謎の男26号を追う地下組織の竜（男）とケイ（女）、軍（アーミー）を率いる大佐、そして金田たち。しかし26号の名前はタカシであり、地下組織の追うアキラではなかった。
軍が隠蔽する巨大な謎、アキラの目覚めが予言される中、ラボに連れ去られ素質を見出された鉄雄も能力者として覚醒しつつあった・・・。
疾走する金田のバイク、ネオ東京、荒廃した旧市街の精緻な描写。当時としては珍しい大判（B5判）、蛍光色を使ったアメコミっぽい装幀なども斬新。
個人的には金田たちの溜まり場、スナック春木屋にケイが登場するシーンがかっこよくて好きです。
表紙
書名：アキラ 1巻
著者：大友克洋
発行年月日：1984年9月21日 第1刷発行
発行所：講談社
定価：本体1,000円（税別）
