「チャーリーとチョコレート工場」原作
『チョコレート工場の秘密』ロアルド・ダール著
本作は、本日の金曜ロードショーで放送された「チャーリーとチョコレート工場」(ジョニー・デップ主演、2005年公開)の原作です。
著者は、イギリス空軍のパイロットとして従軍、その体験をもとにした作品で作家となり、辛辣なユーモアや意外な結末が訪れる、いわゆる奇妙な味の短編作品で知られるロアルド・ダール(1916年~1990年)です。自身の作品を原作としたテレビドラマシリーズ「予期せぬ出来事」にもホストとして登場していました。
児童書も数多く手掛け、本作もその中の一編です。いかにもイギリス的な風刺やブラックユーモアに満ちた内容で、さながら苦みの効いたブラックチョコレートの味わいでしょうか。
クェンティン・ブレイクの軽妙なイラスト、柳瀬尚紀氏の工夫をこらした翻訳(登場人物の名前など)も魅力となっています。
ティム・バートン監督の映画版では、原作を尊重しながら監督の趣味が炸裂、ウィリー・ワンカ氏はより屈折し、父親との確執、その行方などが加味され、奔放なイマジネーションで見事に映像化されています。