戦の天才が辿る数奇な生涯
『義経』上・下巻
司馬遼太郎著
現在放送中の三谷幸喜さん脚本によるNHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」で、菅田将暉さんが演じていることでも話題の源九郎義経。本書は歴史・時代小説の大家、司馬遼太郎さん(1923~1996)がその劇的な生涯を描いた長編小説です(初出「オール讀物1966年2月号~1968年4月号)。
本書は書棚の整理の際に見つけましたが、帯に2005年大河ドラマ放映とあることから、当時滝沢秀明さん主演で制作された大河ドラマの放映に伴い買い求めたものと思われます。
本書の序盤では牛若丸としての幼少期から、鞍馬山での稚児名、遮那王としての姿も描かれています。数多の輝かしい武功を打ち立てていく義経と、あくまでも政治家としての立ち位置の頼朝は、やがて溝を深めていく・・・
「鎌倉殿の13人」では、そのエキセントリックな言動により、すでにその行く末の伏線、暗示を小出しにしつつ、三谷幸喜さんの脚本がどのようにどこまで描くのか、展開が待たれるところです。