好きな写真家の写真集最新刊
『まだ見ぬソール・ライター』
THE UNSEEN SAUL LEITER
青幻舎刊
ソール・ライター(1923年~2013年)は、1957年から20年間ファッション写真家として活躍する一方、ストリート写真を撮り続けていました。
その埋もれていたストリート写真にスポットを当て、2006年にシュタイデル社から発売された最初の写真集「Early Color」により、再評価の機運とともに人気が高まり、日本でも展覧会の開催、写真集の発売が行われました。
本書は先行する2冊のベストセラーに続き、サイズが大きく、ハードカバーになり、待望の全世界同時刊行となりました。
写真集のページ上のレイアウトとしては、「アトリエに遺された未発表スライドから厳選」となっていることから、黒が背景となっており、プリントというよりスライドをイメージさせる構成となっています。
作風としては、窓ガラスの水滴、ショーウインドーに写り込む風景や人物、バスやタクシーの車窓から切り取ったような風景、モノクロームの中のくすんだ原色など、これぞソール・ライターという写真から、少し毛色の変わった写真もありました。
スライド発掘の経緯が文章で紹介、アトリエの写真なども多数収録されており、大変興味深い一冊となっています。
若干手前味噌な感想となりますが、今まで自分でソール・ライター風といいながら、ちょっと違うかなと思っていた噴水の写真や水面に浮かぶボートと手前の枝葉など、モチーフや構図が似た写真があったのが嬉しい驚きでした。
まだ見ぬソール・ライター
THE UNSEEN SAUL LEITER
定価: 4,180円(本体3,800円)
編著: ソール・ライター
マーギット・アーブ
マイケル・パリーロ
判型: A4変
総頁: 160頁
製本: 上製
ISBN: 978-4-86152-890-3 C0072