明智光秀を巡る謎にクロガネ史観で挑む!
『光秀公記』黒鉄ヒロシ著
本日最終回を迎えるNHK大河ドラマ「麒麟がくる」。やはりクライマックスは「本能寺の変」ですが、本能寺の変と、その前後がどのように描かれるのか・・・とても気になるところです。
本書『光秀公記』は実在する史料の名ではなく、「信長公記」にならった、まさに著者による光秀の謎に迫った考察本、絵解き本といってよいでしょう。著者の作品では、以前「坂本龍馬」、「新選組」、「幕末暗殺」を興味深く読んだ記憶があります。
そのイメージは想像力豊かで自由奔放、まさに漫画の特色を活かした作品といえます。著者自身が、時に探偵役として歴史の舞台に降り立ち、登場人物と会話をしたりします。そして巻末に記載されている膨大な参考文献にあるとおり、その考察は史料に基づいたものとなっています。
内容としては大きなストーリーの流れを時系列で追った、いわゆるストーリー漫画ではなく、史料の記述を基に考察を加えていくスタイルのため、とっつきにくさを感じられる向きもいらっしゃるでしょう。
しかし史料を基にしながら、すべてをイマジネーション溢れる絵で表現する様は圧巻です。
書名:光秀公記
著者:黒鉄ヒロシ
税込価格:1,980円(本体価格1,800円)
発行日:2019年8月23日 第1版第1刷発行
判 型:A5判並製
ISBN:978-4-569-84365-0