いつもご訪問いただき、ありがとうございます。毎週のお題が、なかなか書けない題材のため、お題スロットからお題を選んでみました。
メグレ警視は、ベルギー出身でフランス最大の推理小説作家と目されるジョルジュ・シムノン(1903年~1989年)が創造した、パリ警視庁所属の名探偵である。そのシリーズは諸説あるものの100冊を超えるともいわれている。
名探偵とはいうものの、いわゆる本格ミステリとは異なり、奇抜なトリックや関係者を一堂に集めた謎解きといった形式はとっていない。その捜査方法は地道で、パリの庶民の人々の話を聞いて回り、人間の心理を解き明かしていく地味なものとなっている。
映像化作品や影響を受けた作品も多く、メグレを演じた往年のジャン・ギャバン氏の風貌や、「東京メグレ警視シリーズ」の愛川欽也氏を思い起こす方もおられるだろう。
現在新作映画が公開されたばかりの人気アニメシリーズ「名探偵コナン」の登場人物「目暮警部」の名前が、本シリーズから取られていることもよく知られているところである。
2000年に新装版として発行された河出文庫版では、アニメーション作家、イラストレーターの古川タク氏によるユーモラスなものとなっている。
「メグレと殺人者たち」1948 長島良三 訳・古川タク カバー装幀・装画
河出文庫
「メグレと火曜の朝の訪問者」1958 谷亀 利一 訳・古川タク カバー装幀・装画
河出文庫
「モンマルトルのメグレ」1951 矢野浩三郎 訳・古川タク カバー装幀・装画
河出文庫
「メグレと口の固い訪問者」1959 長島良三 訳・古川タク カバー装幀・装画
河出文庫
「メグレと幽霊」1964 長島良三 訳・古川タク カバー装幀・装画
河出文庫
「メグレ罠を張る」1955 峯岸久 訳・河村要助 カバー
ハヤカワ文庫
参考
「ミステリマガジン」1990年3月号 シムノン追悼特集