『ヒューゴー賞受賞作品』
ヒューゴー賞は、1953年に創設され、前年に発表されたSFやファンタジー作品及び人物に贈られる賞です。その名は、世界最初のSF雑誌「アメージング・ストーリーズ」の発行などで知られるSF草創期の多大なる功労者、ヒューゴー・ガーンズバック(1884年~1967年)にちなんでいます。
長編小説、短編小説、映像などさまざまな部門があり、ファンタジー作品も対象としていることから、2000年には『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』が最終候補、2001年には『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』が長編小説部門で受賞しています。
半世紀以上続く世界SF大会(ワールドコン)参加のファン投票によることから、その人気度、面白さ、クオリティは折り紙つきといってよく、読む作品に迷った時の一つの指標となるといえるでしょう。
「宇宙の戦士」1960年 長編小説部門受賞
ロバート・A・ハインライン/矢野徹 訳
「高い城の男」1963年 長編小説部門受賞
フィリップ・K・ディック/浅倉久志 訳
「デューン 砂の惑星」1966年 長編小説部門受賞
フランク・ハーバート/矢野徹 訳
「世界の中心で愛を叫んだけもの」1969年 短編小説部門受賞
ハーラン・エリスン/浅倉久志+伊藤典夫 訳
SF界で「セカチュー」といえばこの作品。
「ニューロマンサー」1985年 長編小説部門受賞
ウィリアム・ギブスン/黒丸尚 訳
電脳空間を舞台としたいわゆるサイバーパンクSFの代表的初期作品。「カウント・ゼロ」、「モナリザ・オーヴァドライヴ」へと続き「電脳三部作」と呼ばれる。
「ハイぺリオン」1990年 長編小説部門受賞
ダン・シモンズ/酒井昭伸 訳
28世紀、宇宙に進出した人類の壮大なSF叙事詩。「ハイぺリオンの没落」、「エンディミオン」、「エンディミオンの覚醒」へと続く全4部作。
「ホミニッドー原人ー」2003年 長編小説部門受賞
ロバート・J・ソウヤー/内田昌之 訳
ネアンデルタール人が進化をとげた並行世界で、量子コンピュータの実験をしていた物理学者ポンターは、事故によってホモ・サピエンスの世界へ転送されてしまう。
「ヒューマン ―人類―」、「ハイブリッド ―新種―」へ続く全3部作。
参考: