嵐、ゴルフ、ミステリーの日々2

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少年時代 藤子不二雄Ⓐ 感想


井上陽水「少年時代」Yosui Inoue - Shonen Jidai

少年時代
著者:藤子不二雄
柏原兵三著「長い道」より
発行日:
1995年7月3日印刷
1995年7月18日発行
発行所:中央公論社(中公文庫コミック版 全3巻)
初出:1978年~1979年「週刊少年マガジン」連載

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内容紹介・感想
柏原兵三氏の長編小説「長い道」を読んだ藤子不二雄Ⓐ氏は、自身の疎開体験とのあまりのオーバーラップぶりに驚いたという。

奇しくも疎開当時同じ12歳、しかも、偶然にもおたがい同じ時に、山を一つ隔てただけの隣村に疎開していたそうだ。(富山県高岡市から同じ県内)

週刊少年マガジンから連載の依頼があったとき、ふいに「そうだ、あの疎開のドラマを描こう」とひらめいたという。

当時の週刊少年誌は読者の人気投票によって動かされる激戦区だ。
意欲をもってスタートした「少年時代」だったが、当時戦時中の疎開少年の漫画などなく、読者の反響はほとんどなかったという。

編集部には人気投票の枠外においてほしい、人気が出ても、出なくても一年できっぱり終わるから、と申し入れてあったそうだ。

そして一年がたち、「少年時代」の最終回が掲載されると、突然著者のところに読者からの反響が山のように届いた。
みんな息をひそめてこの疎開少年の、時に息詰まるような物語を読んでいたのであろう。

そして15年が経ち、著者自らがプロデューサーとなり、映画を製作することになった。
篠田正浩監督、山田太一脚本、そして主題歌も自ら井上陽水氏にお願いしたという。

「映画の打ち上げパーティーで篠田監督が「この映画はつくったものでなく、まさに生まれたものです」とおっしゃって、僕は嬉しくて泣けそうになった。」(1巻著者あとがきより)

小説、漫画、映画、音楽と奇跡のような連鎖で、それぞれ傑作が誕生しました。