不思議漫画館、最新刊!!
『おむすびの転がる町』
panpanya著
2019年にコミック誌、WEB「楽園」に発表されたpanpanya氏の不思議漫画作品集。
緻密に黒々と描きこまれた看板等に埋め尽くされた街に佇む白っぽい二次元の少女が印象的なpanpanya氏の作風は健在です。
しかし本書はただそれだけの特徴にとどまらず、「ツチノコ発見せり」での不思議生物ツチノコとの交流、出会いと別れ、「筑波山観光不案内」シリーズでの福引で当たった巨大な高性能ICチップを搭載した音声ガイドをしてくれる旅券との道行き、出会いと別れといった形で、ストーリー的にも引き込まれる作品となっています。現実と不思議世界との境界が次第に曖昧になっていく夢(悪夢?)のような感覚も健在です。
装幀については、タイトルのスペースを多くとってデザイン的に処理されていますが、やはり緻密に描かれた絵をもっと前面に出したほうがいいかなと思いました。あと帯の配置、バランスもカバーデザインともう少しリンクした形にして、キャッチコピーも「おむすびの~」のことを言っていると思うのですが、もう少しわかりやすい方がいいかなと思いました。作品自体は素晴らしいです(*^-^*)
書名:『おむすびの転がる町』
著者:panpanya
発行日:2020年4月5日 初版発行
発行所:株式会社白泉社
定価:本体980円+税