日本まんが界の巨匠②
『水木先生とぼく』
作:水木プロダクション/画:村澤昌夫
発行日:2017年11月29日 初版発行
発行所:株式会社KADOKAWA
水木しげるさんは、「「ゲゲゲの鬼太郎」をはじめ、「河童の三平」「悪魔くん」など数々のヒット作、人気キャラクターを生み出しました。妻の布枝さんの著書「ゲゲゲの女房」は松下奈緒さん、向井理さん主演でNHK連続テレビ小説としてドラマ化もされ話題となりました。
本書は、1977年に水木プロダクションにアシスタントとして入社、以来40年(2017年時点)に渡り、水木しげるさんの画業を支えた村澤昌夫さん(本書の主人公「ぼく」のモデル)が、水木先生との思い出や創作秘話を描いた作品となります。
その絵柄は、キャラクターの表情から、描線に至るまで、まさに水木しげるさんそのものといえるほどのタッチであり、点描をはじめとしてその緻密さには驚かされます。
背景となる昭和レトロな街の情景(現存する神保町の美術書の古書店、源喜堂も登場します。)や仕事場の描写も大変興味深いものとなっています。
また水木しげるさんと同じく東京の調布市に住み、水木しげるさんのアシスタントをしていたこともある「ねじ式」で有名なつげ義春さんも登場してきます。前衛芸術家の赤瀬川原平さん(後に尾辻克彦名義で芥川賞を受賞)や南伸坊さん(当時編集長も務めた漫画雑誌「ガロ」を出版していた青林堂を辞めてイラストレーターとして活躍しはじめていた)も登場してきます。
関連イベント情報
水木しげるさんは今年2022年に生誕100周年を迎えます。水木しげるさんが50年近く住んだ東京都調布市では、調布市名誉市民でもある水木しげるさんの功績を称え、命日である11月30日の「ゲゲゲ忌」を中心に、さまざまなイベントが開催されます。