書で紡ぐ言葉の魔法
『人生は単なる空騒ぎー言葉の魔法ー』
鈴木敏夫著
宮崎駿は絵を描き、ぼくは字を書く
「鈴木敏夫とジブリ展」展覧会公式読本
いつのころからか、人としゃべるとき、いたずら描きをするのが習い性になっていた著者は、宮崎駿という人と出会って困ってしまったという。
宮崎監督も同じ癖を持っていて、毎日のように話をしながら、お互い全然関係ないものを紙に描きながらしゃべっていたそうです。
いっしょに仕事をするようになってまもなく、これからはもう絵を描くわけにいかない、向こうはプロであり、その前で素人が絵を描くのはさすがに憚られるということで、著者のいたずら描きは、もっぱら字の方に向かうことになったそうです。(「はじめにーはじまりはいたずら描きー」より)
鈴木敏夫さんというとプロデューサー、宣伝のうまい人というイメージが先行しがちですが、本書を読むと、もともとクリエイティブで多才な方であるというのがよくわかります。
本書は著者の書を中心に編まれたものではありますが、書とともに子どもの頃の原風景から大学時代のレポート、アニメ雑誌「アニメージュ」編集者時代の「風の谷のナウシカ」の企画書、ジブリ映画のポスターラフ、タイトルロゴ、宣伝プランなどが豊富なビジュアルとともに紹介されています。
著者は謙遜されていますが、書とともにイラスト、カットなども見事です。
著者:鈴木敏夫
発行:株式会社KADOKAWA
定価: 1,870円(本体1,700円+税)
発売日:2017年12月28日 初版発行
判型:B5変形判
ページ数:208