はてなブログ10周年特別お題「好きな◯◯10選」
11月24日でキャンペーン、募集が終了してしまいましたが、あたためていた(仕舞っていた本を探して読み返したりしていた(´・ω・`))テーマのため、投稿させていただきました。
近代、欧米での叙述トリックミステリーの有名作といえば、叙述トリックの嚆矢ともいうべきアガサ・クリスティーの「アクロイド殺人事件」やビル・S・バリンジャー「歯と爪」などがありますが、日本にも叙述トリックの名作は多いといえるのではないでしょうか。
◆ハサミ男 殊能将之著
猟奇殺人鬼「ハサミ男」は、自分の名を語る殺人者を追い始める。殺人鬼=探偵役というトリッキーな展開や、ハサミ男の前に度々現れては屁理屈をこねる頭脳明晰な医師との会話など、驚きの結末とともに不思議な魅力に満ちた作品。
北見隆氏による装丁も秀逸です。
◆イニシエーション・ラブ 乾くるみ著
何気なく読んでいると普通の恋愛小説?と見紛うばかりのお話が・・・最後の2行でひっくり返る快感。
A面とB面の1970年代から80年代のポップスに乗せて展開するストーリーに忍び寄る違和感・・・。
文庫版表紙
◆十角館の殺人 綾辻行人著
新本格ミステリーの旗手にして人気作家、綾辻行人氏の記念すべきデビュー作にして、館シリーズ第一作。閉ざされた孤島に建つ十角館と本土を舞台に展開する巧妙なミスディレクションに翻弄される。
◆葉桜の季節に君を想うということ 歌野晶午著
冒頭の書き出しから仕組まれた巧妙な罠。ハードボイルドな雰囲気をまとった探偵、成瀬将虎の活躍に思うがままに翻弄されよう。
◆倒錯のロンド 折原一著
叙述トリックのマイスターともいうべき折原一氏の原点にして、代表作の一冊。倒錯の死角、倒錯の帰結とともに倒錯三部作ともいわれる。
ハードボイルド小説の傑作(こちらもおすすめ!)、探偵マット・スカダーの倒錯三部作とは異なります。
◆倒錯の死角 折原一著
◆仮面山荘殺人事件 東野圭吾著
当代随一の人気作家にして多作家、東野圭吾氏の作品。
タイトルと表紙から閉ざされた山荘、クローズド・サークルを連想させるが、物語は思わぬ展開を見せる。解説の折原一氏の言及しているテレビ映画とはあの映画を指すと思われるが、それがわかるとネタを割ってしまうだろう。
◆マリオネットの罠 赤川次郎著
三毛猫ホームズシリーズや三姉妹探偵団などのユーモア、青春ミステリーで知られる人気作家、赤川次郎氏の長編第一作にして、シリーズ外の作品。
幕開けの舞台は信州、林の奥にたたずむ蔦に覆われたレンガ造りの洋館に家庭教師としてやってきた修一は、やがてその館には閉ざされた地下室があることに気づく…。
長編デビュー作にして赤川次郎氏の恐るべき実力、凄みを感じさせる逸品。
◆ロートレック荘事件 筒井康隆著
純文学をも手掛ける日本SF界の大家、筒井康隆氏によるミステリー作品は、やはり一筋縄ではいかない。
◆殺戮にいたる病 我孫子武丸著
サイコパス殺人鬼による凄惨な事件に目がくらみながら、ラストに現出する真相には愕然とせざるをえない。
◆慟哭 貫井徳郎著
こちらの作品も描かれる事件と真相にはまさに慟哭せざるをえない。
◆アヒルと鴨のコインロッカー
現代的で軽妙な語り口で人気の伊坂幸太郎氏による巧妙なミスディレクション。
第25回吉川栄治文学新人賞受賞は伊達じゃない!
◆神のロジック 人間のマジック 西澤保彦著
人里離れた謎の学校<ファシリティ>に集められた子供たち。
同じような設定はカズオ・イシグロ氏による「わたしを離さないで」やコミック「約束のネバーランド」、最近の人気作「兇人邸の殺人」でも描かれていて、ミステリーに仕立てやすいのかもしれませんね。
SFイラストで有名な加藤直之氏によるSFチックな表紙がすでにミスディレクション?