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おめでとうございます!!
今週のお題「復活してほしいもの」
『越境する本格ミステリ』
映画・TV・漫画・ゲームに潜む本格を探せ!
本書のコンセプトについて・・・
本書は小説以外のメディア、すなわち映画、TVドラマ、アニメ、漫画、舞台劇などで発表された優れた本格ミステリ作品を紹介したいというコンセプトで編纂、2003年4月に発行されたガイドブックである。
本格ミステリとは・・・
本格ミステリの定義について、本書「巻頭の辞」からひも解いてみよう。
『「本格ミステリ」の定義について論じ始めると、マニアの数だけ結論が出るということにもなりかねないが、その魅力を大ざっぱに抽出するなら、「伏線とともになんらかのトリックが仕掛けられ」「その解明とともに意外性が味わえる」作品ということになるのではないだろうか。』
本書の内容・・・
本書の章立てと概要を見てみよう。
・洋画 <本格ミステリ>映画大全集他
シャーロック・ホームズ映画、ヒッチコック
ダリオ・アルジェント、ブライアン・デ・パルマ他
・邦画 金田一耕助映画&TVの世界
明智小五郎映画&TVの世界他
・TV 日本TVミステリ概史他
刑事コロンボ、シャーロック・ホームズの冒険、名探偵ポワロ
警部補古畑任三郎他
・コミックス 推理漫画の系譜他
・ゲーム 本格ミステリゲームの世界
・見巧者17人が薦める私のジャンル別ベスト3&隠し玉
感想・・・
やはり映画については多くのページが割かれており、不朽の<本格ミステリ>洋画10として取り上げられている「探偵スルース」「サスペリアPART2」「デストラップ死の罠」「アンブレイカブル」は文句のつけようがないところではあるが、ただシャマラン監督でいえば、やはり本項目でも言及されている映画での叙述トリックが見事にはまった「シックス・センス」であろう。
また本書の大きな読みどころの一つは漫画の章である。特に冒頭を飾る日下三蔵氏による推理漫画を概観した「推理マンガの系譜 マンガならではの本格ミステリ」と吉田淳氏による「漫画の中に潜む「本格」マインドー荒木飛呂彦と福本伸行」は必読である。特に荒木と福本のマンガにあらわれる特徴的な擬音「ゴゴゴゴ」と「ざわざわ」についての考察は、まさに慧眼といえる。
要望・・・復活してほしいもの
顧みれば本書発行から20年近くが経過している。本書未掲載、またはその後に発表された作品、例えば映像作品では、2000年からスタートして現在シーズン20を数えるドラマ「相棒」、直近では2018年から続く人気シリーズのドラマ・映画「コンフィデンスマンJP」(コンゲーム映画の名作「スティング」は既に掲載有り)、コミックス・ドラマ「ミステリと言う勿れ」。
マンガでいえば、「カイジ」が切り開いたオリジナルギャンブルマンガの世界を展開させた「ライアーゲーム」、ギャンブル&バイオレンスを精緻な筆致で描く「嘘喰い」など(本格の要素を抽出しないといけませんね)を追記して、令和版のバージョンをあらためて編纂いただきたいと切に願います。