嵐、ゴルフ、ミステリーの日々2

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マンガの神様が描くミステリーの世界!『二階堂黎人が選ぶ!手塚治虫ミステリー傑作集』

今週のお題「復活してほしいもの」=手塚治虫作品

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マンガの神様が描くミステリーの世界

『二階堂黎人が選ぶ!手塚治虫ミステリー傑作集』

著者:手塚治虫について

 手塚治虫(1928~1989)は、言わずと知れたマンガの神様とも呼ばれる日本マンガ界の開拓者であり、長らく第一線で活躍した巨匠である。

編者:二階堂黎人について

 新本格ミステリームーヴメントの中で登場してきた推理小説家である。1992年、後に人気シリーズとなる二階堂蘭子の登場する作品「地獄の奇術師」でデビュー。手塚治虫の元ファンクラブ会長でもある。

本書について・・・

 本書は、便宜的に4つの章立てとなっている。すなわち・・・

ファイル#1 本格推理

ファイル#2 名探偵登場

ファイル#3 謎解きコレクション

ファイル#4 5つの事件簿

 個人的には、ファイル1の本格推理作品が好きである。華やかな宝塚を舞台にしたと思しき世界をクラシカルなタッチで描く「カーテンは今夜も青い」、路上の新聞売りの少年が真新しいホテルの窓から垣間見る不思議な光景が事件解決の糸口となる「ビルの中の目」、ギャング団の抗争と身代わりロボットを絡めたSFミステリの傑作「2から2を消せば2」、炭鉱の中で交わされる会話劇がやがて過去の犯罪を暴く、最後の一コマが印象的な「落盤」などなど。

 ファイル#2では、手塚マンガでおなじみのロック・ホームが少年探偵として初登場する「13の秘密」、ロック・ホームはファイル5の「ふしぎな少年」の一編でも登場する。

 ファイル#5は鉄腕アトム、ブラック・ジャック、三つ目がとおる、ミッドナイトなど、全体的に初期作品の多い本書の中でも、近年の人気作品を集めており、この章を広げても1冊のアンソロジーが出来そうである。

書誌情報

著者:手塚治虫

編者:二階堂黎人

発行日:2000年7月10日 第一刷発行

発行所:株式会社筑摩書房(ちくま文庫)

▼「越境する本格ミステリ」を確認したところ、本書への言及がありました。

arashi-golf.hatenablog.jp

▼参考HP

tezukaosamu.net